タール火山の噴火を、冷静に評価してみよう

まずは、6月30日観測データ(7月1日付レポート)から時系列で並べました
Cut2021_0705_1117_21.jpg
いままでPHIVOLCSのTAAL火山の報告は、英語のレポートのみでしたが
タガログ語のレポートも加わりました
更に、
7月4日よりビジュアル的なページも加わりました
Cut2021_0705_1101_55.jpg
7月4日のレポートですから、7月3日の観測データになります
過去24時間に、2つの地点で31回の火山性地震を観測しました ・・・・ となっています
Cut2021_0705_1103_06.jpg
① 31回の火山性地震を観測
② タール火山のクレーター湖のpHです ・・・・ 1.59という強酸性になっています
Cut2021_0705_1103_31.jpg
③ クレーター湖の水温です ・・・・ 71.8℃ 温泉にしては熱すぎますね
④ 二酸化硫黄(SO2)ガスの噴出量です ・・・・ 14,699トン

そして、7月4日に「アドバイザリーレポート」なるものが、追加で出されました
(多分、こいつのせいで今回のビーチ旅行がエライ迷惑を受けました)

書かれていたのは、
「7月4日の観測データでは、22,628トンと云う最近では最高の火山性ガスを記録しました
4日の午前0時以降、火口の浅い場所で低周波地震が観測されています
同時に火山の東海岸でも有感地震が感じられました
これは7月1日に発生したのと同規模の噴火(水蒸気爆発)が起こるかのせいがあることを示しています」


人間の病気で言うと、

患者さんの症状 ⇒ 噴煙、火山性ガスの排出、有感地震の回数・大きさ、クレーター湖の水温・pH
臨床検査値 ⇒ 無感地震の回数、震源の深さ、低周波地震の回数
医者は、患者さんの症状臨床検査値を見ながら病気を診断し、治療していきます
火山の噴火予測も同じように、どちらのデータも併せて評価していくのが大事だと思います

因みに、私は個人的にこう思っています
現状としては、低周波地震の数は増えていないし
火山性ガスの噴出量が増えているため、マグマ溜まりのガス圧が高まっていない
この2点から、再噴火の危険はそんなに高くない
逆に火山性ガスの噴出量が減り、低周波地震の数が増えているときの方が、再噴火の危険性が高まっているんじゃないか
と考えています ・・・・ 専門家じゃないので、本当かどうかわかりませんけどね


追伸:
私は数日前から、今回のタール火山の噴煙は溶岩性噴火ではなく
マグマ溜まりに入った水の水蒸気爆発と書いていました
とうとう、ABS-CBNやマニラ新聞でも「マグマ水蒸気噴火」とか、「水蒸気噴火」
という表現になってきました
もしかして、「私のブログ記事を参考にしたの?」 ・・・・ ニャハハハ!

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コメント

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クレーターの温度が源泉並み?

こんにちは
本当でしょうか?どの地点で計測したのでしょう?いくら何でも高すぎます。湖内の生物もアッチッチ!
温泉旅館が開けますね。源泉かけ流しで・・・
ご自宅の周辺も湿度が高いのでしょうか?

No title

Tomyさん、こんにちわ。
こういう数字って難しいです。
火山性地震や低周波地震は増えたり減ったり、
でもSO2ガスは増えていますよね。
ガス抜きが出来ているからいいのかなぁ。
よく解らんけど、いずれにしても注視することは必要ですね。

Re.クレーターの温度が源泉並み?

>鯨夢さん、こんにちは
タール湖じゃなくて、タール火山の火口に溜まったクレーター湖ですが・・・・
私もどうやって測定したのか疑問でした
人は近づけないので、今の時代ならドローンに赤外線センサーを付けての温度測定でしょうか?
タガイタイは相変わらず平時と何も変わらないんですけどね~
避難騒ぎも、タール湖畔の住人だけみたいです

Re.

>もちや喜作さん、こんにちは
実はメディアがどんな書き方をしようか、そんなに気にしてません
と云うか、期待していません
それよりも、PHIVOLCSは火山地震研究所なので、もう少し専門的な見解や解説をして欲しいです
「二酸化硫黄ガスの噴出量が増えたので、再噴火の危険性が高まった」
だけでは、素人のコメントと同じです
もう少し科学的に分析してほしいな~、と云うのが私の感想です

クレーター湖でしたか・・・?

こんにちは
昔、ゴルフボールを打ち込んだところでしたか・・
10球で二百ペソ(観光地価格)くらいだったでしょうか。茹で上がって浮いてくるんでしょうかね。登り降りに使われていたお馬さんはどうしているんでしょう。お客さんがいなければオーナーも飼育料が無くなり悲惨ですね。それともサンチャゴ要塞付近のカレッサを引いているのでしょうか?
なるほど、ドローンという手がありましたね。本当に80度近くならやかんと同じでどんどん蒸発する気もしますね。

Re.クレーター湖でしたか・・・?

>鯨夢さん、こんばんは
ゴルフボールを打ち込む? ・・・ メ!
お馬さんたちはほとんど全部避難できたそうですが、問題はその先ですよね
タガイタイにも結構来ていましたが、受け入れ先がなくて大変みたいでした
噴火の避難時に預かるだけなら良いんでしょうが、火山島にはもう戻れないので
永久受け入れ先となると、簡単ではありません
そもそもタガイタイのホースライディング自体、縮小気味でしたから
クレーター湖が蒸発したら困りますね~
マグマ溜まりを適度に冷ましてくれてたはずだから・・・・
あとは、PHIVOLCSのレポートで、二酸化硫黄ガスの噴出量をトンで表示しているのが何故なのか分かりません
ガスだったら、立方メートルで表示したほうが適切なんじゃないかと思いますが
この辺は、地質学者の中での取り決めがあるのかな?

評論家Tomyさん!!ぷっ😙😙😙

Re.

>冒険王さん、こんばんは
以上のデータから、私はこう考えるって言う
専門家同士の意見のぶつけ合いがないと、面白くありません
メディアは一様に、噴火の危険が近づいていると注意喚起してて
それも間違いではないんですが
なんか私の心に響かないんですよ
他の人のブログ記事も皆んな、ニュースのコピペですからね
なので、敢えて私は独断で自分の考えを主張してみました
評論家みたいでした? 笑

トリビア・火山ガス放出量

こんばんは! 
一般的に火山ガス放出量はその放出質量(トン/日)で表されるそうです。これが地球物理学的発想でした。物理の基本は質量ですからね。ガス・流体だって密度を乗じて重量!
観測原理は、太陽の散乱紫外光を光源とし,SO2が特定の波長域の光を吸収することを利用した濃度測定で、噴煙断面のSO2濃度分布を求めてその移動速度をかけることで,単位時間当りのSO2の放出量値を算出します。SO2は放出換算値なんですね!
このSO2放出量と火山ガス組成を組み合わせることにより,火山ガス種それぞれの放出量が計算できます。硫黄島の火山ガス例では,H2O:CO2:S:Cl(モル比)がそれぞれ97.5:0.38:0.98:0.58でしたので、総放出量はH2Oは40,000トン:CO2は370トン:Sは700トン:Clは460トンって、どうでもいいか?(笑)

Re.トリビア・火山ガス放出量

>鯨夢さん、おはようございます
観測原理まで調べて頂いて、感謝します
発想が物理と化学では全然違うんですね、面白かったです