金メダルを獲得したユーロ君と、釘宮コーチの物語

北九州市で開催されている世界体操選手権の種目別跳馬決勝が10月24日行われ、
マニラ市出身のカルロス・ユーロ選手＝21歳（朝日生命）が金メダルを獲得しました
他の方も既に何人かブログ記事にしていましたが、もっと深堀して書いてみたいと思います

カルロス・ユーロくんは、マニラのマラテ出身でした　・・・・　2000年2月生まれ
小学校は、マラテのパブリックスクール（Aurora A. Quezon Elem. School）で、マニラ動物園のすぐそばでした

パブリック・スクールですが、貧民街ではないためか？　ちゃんとした校舎でした

小学生のうちから、マニラの体操クラブの一員となり、フィリピン国立競技大会のトレーニングをしています

転機が訪れたのは、2016年
日本オリンピック協会から奨学金プログラムの下で日本でトレーニングするという申し出を受け入れました
そして2018年帝京大学付属短大に進学した直後、世界体操選手権に初出場して優秀な成績を収めました
翌年の2019年、世界体操選手権シュツットガルト大会では、床競技で金メダルを獲得しました
体操競技では、フィリピンで初めての金メダルだそうです

フィリピンに帰国した際には、在フィリピン日本大使館の羽田大使から表彰状も授与されました

こちらは、帝京大学付属医療短期大学に所属していた、釘宮コーチです　・・・・　陰の主役！

この話の流れだと、ユーロ君が帝京大学に進学してからの関係に見えますが、そうではありませんでした
釘宮コーチはユーロ君が13歳のときに初めて会っていたんです
当時釘宮コーチは、日本体操協会からの派遣で、マニラのナショナルトレーニングセンターで
フィリピン代表を指導していました
ナショナルトレーニングセンターにはエアコンもなく、食事も合わなかったんでしょう　・・・・　わかる、わかる
釘宮コーチは、2か月間で7kgも体重が落ちてしまったそうです
この時、ユーロ君は友人に誘われてトレーニングに体験入部したのがきっかけでした
釘宮コーチは1年の派遣予定でしたが、派遣は2年半に及びました
帰国前、釘宮コーチには心残りがありました
「この恵まれない練習環境で、ユーロの才能が埋もれてしまうのはもったいない」
釘宮コーチの腹は決まりました
ただ、ユーロの母は反対でした
母は2週間悩み、最後は「お願いします」と涙を流しながら釘宮コーチに息子を託したんです
最初は日本オリンピック協会から奨学金プログラムで来日と書きましたが、実際には　・・・・
ユーロ君は帝京高校と帝京大学からの奨学金制度も利用しています
帝京短期大学に進学した後は、都内で釘宮コーチと暮らしながら短大に通っていました

世界体操選手権シュツットガルト大会では金メダルを獲得したあと、釘宮コーチはユーロ君の母に電話をしました
「僕を信頼して、日本に送り出してくれてありがとう」と伝えると、
母は、「あなたを疑ったことは、一度もありません」
その言葉は釘宮コーチの胸に響いた
幼かったカルロス・ユーロ君もこんなにたくましくなりました　・・・・　でも身長は148cmのまま

ユーロ君の本当のチャレンジは、オリンピック・パリ大会だ！　　・・・・　おしまい

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