赤ちゃんと、脳細胞と、ネフロンと

今日は、子育て世代の若くて美しいお母さまたちへ・・・
地球の年齢は、45億年
生命が誕生してから、38億年です
こちらは母体の中の胎児を描いたものです
昔はこのように手で描いたイラストを使っていました
でも、お腹の中の胎児をどうやって見たの?
それは悲しいかな、流産した胎児を観察して描きとっていたのです

2週、3週では爬虫類のような形をしています
目も頭の左右についています
最近では内視鏡の技術が進歩して、直接写真を撮れるようになってきました

上の2つを見ると、お尻に尻尾が見えますが、4週に入ると消えていきます
右下で、12週です
目の位置も両側にあったものが、顔の正面に移動してきました
胎児の成長を文字で書くと
細胞の塊 ⇒ 魚類 ⇒ 両生類 ⇒ 哺乳類 ⇒ 人間  ・・・・ と言ったような外形の変化を辿ります


胎児は何故、最初からヒトの形にならないのでしょう?
それは、38億年の生命の進化の過程を母体の中で再現しているんです
人間のDNAのなかに、生命の進化の過程が全て組み込まれているなんて、凄いでしょ!

どうです?  哺乳類のワンコ系の顔ですよね!  これはこれで可愛いけど・・・

やっとヒトに近づいてきました

ここまで来ると、立派な人間です ・・・・ ここで12週です

赤ちゃんは約3,000gで生まれてきますが、この時の脳の重さは約400gです
4歳で大人の脳の80%の大きさに達します
大人になると、男性で1,400g、女性で1,300gほどになります
脳細胞の数は、成長とともに増えているように見えますが
実は、出生直後が一番脳神経細胞が多いんだそうです
あとは減っていくだけ~
成人の脳の10%が脳神経細胞、90%がグリア細胞なので、出生後に増えているのはグリア細胞だと思われます
グリア細胞は脳神経細胞に栄養を送ったり、信号を伝達するのが役目です
「あとは減っていくだけ~」、と書いたように、脳卒中でダメージを受けた脳神経細胞は再生されないと教わってきました
しかしここ5年ほど研究が進み、グリア細胞が脳神経細胞の再生にかかわっていることが分かってきました (神戸大学の研究)
ただし、老化とともにその能力も低下します
脳神経細胞の再生修復のメカニズムが解明されてきたので、将来的には脳卒中後の治療も開発されるのではないかと期待しています

脳神経細胞と同じように、腎臓の最小単位ネフロンも出生時が最大で、その後増えることはありません
出生時で、1つの腎臓に100万個あると言われています

脳神経細胞と異なり、ネフロンは妊娠後期に形成されます
その為、早期出産・低体重児はネフロンの形成が十分ではありません
出生時体重3kgの赤ちゃんが100万個のネフロンを持っていたとすると
2kgの赤ちゃんの場合、ネフロンの数は74万個と推計されています (昭和大学の研究)
我が家のミーちゃんとダイちゃんはともに2kg以下の早産だったため、ネフロンの数は生まれながらに少ないんです
他の子供以上に、腎臓を大切にしてあげなきゃな~って思っています
我が家の双子ちゃんは、ごく軽度の腎不全に該当するので、将来、腎臓のドナーになる事は出来ません



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コメント

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No title

おはようございます。
へ~初めて知りました。
38億年の生命の進化・・・
生命の神秘ですね!

No title

tomyさん、今日も面白い記事をありがとうございます!
若くもなく美しくもない子育て中の母ですが(〃 ̄∇ ̄)ノ彡☆ウキャキャキャッ
興味深く読ませて頂きました。研究が進むと色んな事がわかってくるんですね。
ネフロンの事は初耳でした!我が家の双子は2650gと2130gで生まれてきました。胎盤が小さめだった三男が2000gちょっとで小さかったです。
我が家の双子は37週と2日での出産でしたが、そういった在胎週数も関係あるんでしょうか?
産まれてきたら減るだけで増えないといえば、卵子もですよね。
胎児の時は700万個、出生時には200万個、思春期には20万~30万個と習った覚えがあります。

No title

> tabangさん
おはようございます
知ったからと言ってどうってことないんですけど、こういうウンチク
「へ~~」ってなりますよね
記事を書いているとき、双子ちゃんが寄って来て興味深そうに眺めていました

No title

おはようございます。
へぇ~そうなんだ~。 良く分りませんが、なるほど~?

「老化とともにその能力も低下します。」・・・厳しい現実ですね。
こればかりは、逆らう事は出来ないですから・・・有意義な人生を送りたいですね。

No title

> ゆうさん
お会いしたことないので、「若くて可愛いお母さん」ってことにしておきますね
在胎週数は関係あると思います
でも、2650gだったら全然問題ないし、2130gだったら83%くらいのネフロン数でしょうか
日常生活だったら、全然気にしなくて構わないです
私も、双子ちゃんを特別視していません
双子ちゃんのクラスメートに、乳児の時に片側の急性腎炎で摘出しちゃった女の子がいます
親が過度に減塩・低たんぱく食にこだわっていて少し低体重気味です
それなのに娘さんのクレアチニン値やGFRの数値は知らないんです
数値が分からないとコメントも出来ないし、やっていることが正しいのかも判断できません 医者に言われたことを忠実に守っているだけです
卵子と言えば昔、排卵は左右の卵巣から交互に排卵される
だから一つの卵巣の排卵周期は56日と教わったような気がしていたのですが、婦人科のDrに聞いたら、「そんな事ね~よ」って笑われました
皮膚欠損も昔は感染予防のために乾燥状態が良いと言われていたのに、いまは再生を促すためには湿潤状態が良いとなっています
医学も時代とともに見方が変わる

No title

赤ちゃんが母体の中で38億年の生命進化の過程をたどってるなんて、初めて聞いてびっくりです。
いくつになっても勉強することって有るんだな~と、Tomy先生に感謝です。^^

No title

> jo5*63*56*さん
おはようございます
こういうの、良く分からなくても良いんです
「へ~~」、だけで十分です
年とともに脳神経細胞は確実に減っていきます
記憶とか思考とかは、脳神経細胞の数ではなく
それを取り巻く、グリア細胞とシナプスの連結の数で決まります
興味のある事ばかり考えるよりも、たまに興味のないことにも頭を使う方が活性化されるんですよ
少しは役に立てたでしょうか? 笑

No title

> waikiki66さん
私も、胎児の形態変化そのものは知っていました
でもそれが、生命の進化の歴史をたどっていたと知ったのは
そんなに昔ではありません
DNAってスゲーな~、って感動したのを覚えています

No title

爺になっていろいろ不具合が生じてきているが、年を重ねただけじゃなく、
生まれ落ちたその瞬間から老化は始まっているんですね。
母親の腹から出て、空気に触れた時から劣化が始まるって、まるで機械のようだな。
メンテナンスをしていかないと早く劣化してしまうね。

No title

> カルボさん
「まるで機械のよう」・・・なかなか良いたとえですね
機械も作られた瞬間から劣化は始まりますが、毎日使って
きちんとメンテナンスしていると、新品同様の動きを維持できますもんね
劣化してきたら不具合が出るのは当然
それを騙し騙し、うまく付き合っていくのが大事だと思います
新品同様に戻すなんて、機械だって無理ですからね 苦笑

No title

Tomyさん・今晩は、昔このような、イラスト等、沢山眺めた記憶が、在るのですが、ボケた頭では、何処かに消えました。歳老いるって、哀しいですね、m(_ _)m

No title

> tak*shi*e*akeさん
こんばんは
昔の医学書はイラストばかりでしたが、いまはいろんな写真が豊富に使われるようなりました
綺麗ですよね

No title

おはようございます。
家の長女は1970gmの早産で1ケ月ICUにいました。半年経って熱出し尿検査で腎盂腎炎の疑いで入院、その後の検査・経過で何事もなく終わりましたが、何か関係あったのかなー。
死んだ時、脳は38億年さかのぼり光に中に向かうと聞いた事があり信じてます。(苦笑)

No title

> kn2cさん
おはようございます
我が家の双子ちゃんと同じくらいの体重だったんですね
早産だと腎臓の働きが十分ではなくて、オシッコの出が悪いことによる
腎盂腎炎は時々見受けられます
オシッコがちゃんと出だすと、意外と自然回復するもんです
1ヶ月のICUは可哀想でしたね
子供そうですが、その時にお母さんが自分を責めたりしていなかったかが心配ですね
東大の医者でも、死後の世界、幽体離脱現象とかを信じる方がいるんです
それも何人もです
元からじゃなくって、医者になってからの数々の経験からです
だから38億年前にさかのぼるのも、全く信じられない話じゃないと思います

No title

フィリピーナにしては落ち込みました。(爆笑)

No title

> km2cさん
うちもミーちゃんは2週間で退院しましたが、ダイちゃんは1ヶ月近くかかりました
ダイちゃんは黄疸でした
カミさんだけ1週間で退院だったんですけど、離れたくないって
駄々こねてましたね 笑