池江 璃花子選手に思う事 その1

今年も残るところ、今日と明日の2日だけになりました
本年はご訪問有り難うございました
来年もよろしくお願いいたします

先日、池江瑠花子選手が退院したニュースを見ました
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まずは安心ですね ・・・ 良かったです
池江選手の運動能力は別格のようで、1歳で逆上がりが出来て、5歳の時にはクロール・バタフライ・平泳ぎ・背泳ぎで50m泳げたそうです
運動能力だけではなく、彼女の卒業した高校の偏差値は62なので、頭も良かったんですね
そんな彼女が、「急性リンパ性白血病」に罹患するなんて、神様居るの? って思っちゃいますよね

白血病は大きく分けて、「骨髄性白血病」と、「リンパ性白血病」があります
でも「急性リンパ性白血病」で不幸中の幸いでした
「骨髄性白血病」よりも、はるかに治りやすいからです
「骨髄性白血病」になると、リンパ球だけでなく、下にあるすべての血球に影響が出てきます
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白血病は遺伝しませんが、白血病患者の95%に特異な染色体が認められます
でも白血球は免疫細胞なので、白血球が増えて何が悪いの? 免疫が強くなって良いんじゃないの?
私も社会人になって初めて、その本質を理解しました
血液細胞(赤血球・白血球・血小板)は骨髄で作られます
骨髄には造血幹細胞という血液細胞の卵があって、それが成長して血液細胞に育って血液中に出て行きます
ところが白血病になると、大人になっていない白血球が大量に生産されてしまうんです
これを、「左方変性」と呼びます
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大人になっていない白血球は、免疫能力が無いので数が多くても細菌やウイルスを殺すことが出来ません
なので、白血病患者の最後は、肺炎などの感染症でなくなってしまいます

治療は、放射線療法、や化学療法(抗がん剤治療)を試みます
抗がん剤治療を始めると、無菌室に入ります ・・・・ 
副作用で脱毛も認められます
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池江選手は治療が上手く行って、一時退院出来てディズニーランドにも行けました
(写真は池江選手のTwitterより)
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これで、「がん化した白血球」をゼロにしまえればいいんですが、それは出来ません
放射線療法も抗がん剤治療も、正常な白血球までゼロにしてしまうからです
「がん化した白血球」が治療によってある程度少なくなると、あとは自分の免疫力で「がん化した白血球」を殺してくれるのを待つしかありません
「急性リンパ性白血病」の治癒率は80%程度で、あとは神様に祈るしかないという状態です

治療で正常な白血球を殺し過ぎた場合はどうなるのでしょうか?
体力のない小児患者では、なかなか思うように抗がん剤を増やせないんですが
池江選手のように体力のある患者には、ついやり過ぎてしまうことがあります
そのままでは、いくら無菌室に居たとしても感染症で亡くなってしまいますから、「造血幹細胞移植」をします
今回の池江選手はこれが上手く行って、やっと退院にこぎつけられた状態だと思います


続きは、また明日

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コメント

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池江選手

おはようございます。
何はともあれ、池江選手の退院をお祝いします。㊗️ オメデトウ !

「池江選手が、白血病 !」 ・・・ 世界中が驚き、悲しみました。
一日も早く、完治される事をお祈りします。
「貴女なら出来ます。早くプールに帰って来て下さい。」

No title

 Tomyさん・お早う御座います。

オリンピックで、金メダルを何個取るか、期待の星が、
病に倒れたニュースは、全世界に、衝撃を与えました。
こんな事が、あろいうとは、その後順調なる、回復を知り、
胸を撫で下ろしました。只の願いは、病気を完治し、
幸せに暮らして欲しいと、好かった、白血病に、
「骨髄性白血病」と、「リンパ性白血病」が在る事を、
初めて知りました。妻の弟は、昔白血病で、
亡くなったのですが、別途に横たわる、義弟を見舞った時に、
事をあらためて、思い出しました、m(_ _)m

No title

おはようございます
池江璃花子選手を東京オリンピックに出場させて
あげたかったですね 残念です
もっと元気になって4年後のオリンピックには是非出場して欲しいです
私は生まれ付き白血球の数が多いみたいなのですが
白血球が多いと何か問題があるのでしょうか?

Re.池江選手

>Jo59635561さん、おはようございます
早くプールに戻ってきて欲しいのは、日本人に共通する願いでしょう
でももし彼女の親だったとしたら、・・・・複雑です
治療上の目安としては、造血幹細胞も移植して完治に近いんですが
まだがん化したリンパ球が残っているのは間違いないところです
この際、トレーニングは一切せずに普通の女の子に戻って、1年後、2年後くらいに再始動してほしいんですが
オリンピックを目指している選手としては、そうもいかないでしょう ・・・無理しないで欲しいな

Re.

>ダニエルさん、おはようございます
急性リンパ性白血病で良かったと書きましたが、それでも治癒率は80%です
がんの中では「血液がん」は比較的治りやすいんですが、造血幹細胞移植をしたってことは
一時、ちょっと危ない時期があったのかもしれません
東京オリンピックには間に合わなかったけど、次のパリ・オリンピックでは喝さいを受けること間違いなしです
美人薄命って言いますが、夏目雅子さん、本田美奈子さんのようにならないよう祈ってます

Re.

>冒険王さん、おはようございます
基準値って、実は検査方法が変わったりすると、微妙に変化します
昔の基準値は、4000~8000/mm3だったように記憶しています
それが今では、3500~9000/mm3になっています・・・(施設基準値と言って、施設ごとに少し異なります)
白血球と言っても、総数だけではなくどの白血球が多いかで異なります
白血球には大きく分けて5つの種類(好中球・好酸球・好塩基球・リンパ球・単球)があり、その役割も異なっています
アレルギー性疾患を持っていると、好酸球が増えるし
ウイルス性疾患にかかると、リンパ球が増えます
ただ生まれつき白血球数が多い、「白血球増多症」といのがあって、これは症状であってイコール、病気ではありません
「白血球増多症」の方も健康であれば全く問題ないのですが、中には白血球の免疫作用が弱い方もいます
そう言う方は風邪をひき易いなどがありますが、それも体質と思って風邪をひかないような日常の注意が必要になってきます